いま話している電話に、字幕がつく
電話が鳴る。オペレーターが受話器を取る。その瞬間から、デリヘル管理アプリの画面の「文字起こし」パネルに お客様の声が字幕になって流れ始める。昨日まで書いてきた文字起こしは 「切った後に読み返す」ものだったが、Premiumではこれが通話中に動く。 今日はその話。
字幕だけなら眺めて終わりだが、この字幕は仕事をする。流れていく会話から AIが日時・場所・コース・ご指名を拾い続けて、予約フォームの上に 「通話からのAI予約候補」というカードを出す。会話が進むと候補が育つ。 最初は「今日の19時」だけだったカードが、ホテル名が出れば「ホテルマリン」が足され、 「90分で」と言われれば90分が埋まる。電話を切る前に下書きが仕上がっていて、 「予約フォームへ反映」を押せばそのまま入力される。
言い終わる前の文は、使わない
作ってみて最初に困ったのは、音声認識の「認識途中の文」だ。人が言い終わる前から 認識エンジンは仮の結果を返してきて、それが「9時」→「19時」→「19時くらいに」と 何度も書き換わる。これをそのまま字幕に流すと文がゆらゆら揺れて読みにくいし、 揺れている途中の文をAIに食わせると、間違った候補を自信満々に出してくる。 なので途中経過は捨てて、言い終わって確定した文だけを積んでいく作りにした。 候補の抽出も一言ごとには回さず、発言が少し途切れるのを待ってからまとめて回す。 急かさないほうが、AIも人も間違えない。
隣に座らなくても、通話が見える
想定していなかった使い道もあった。字幕は同じ画面を開いている全員に流れるので、 新人が受けている電話を、先輩が自分の席から追える。昔なら受話器に耳を寄せて 隣に座るところだ。危なそうなら画面を見ながら小声で助け舟を出せばいい。 研修のためというより自分の手間を減らすために作った機能が、 いちばん喜ばれたのは研修の場面だった、というのはよくある話らしい。
明日は、電話をかけてきた「声そのもの」を手がかりにする話——声紋照合のことを書く。