ドライバーアプリは、見ない前提で作る

6月9日は、振動を一日に二回作り直した日として記憶している。 遅延の警告をブラウザの振動APIからアプリ用のハプティクスに替え、 それでも弱いと分かって、同じ日のうちにモーターを最大出力で鳴らす小さなプラグインを自分で書いた。 ドライバーのスマホはカップホルダーかダッシュボードの上にあって、画面は見ていない。 だからこの画面は「見ない前提」で作る、というのが昨日の続きで書きたかったことだ。

目と手を使わせない

昨日の配車計画は、ドライバーの端末では「行程」タブに届く。取りに行くのは1分ごと、 オペレーターが予約を動かしたときはそれを待たず即座に取り直す。 取り直して先頭の停車地が変わっていたら、画面を更新するだけでなく声に出す。 「次の目的地、○○ホテルへ、かおりをお届けください。到着目標21:00」。 遅れそうな便が増えたときは、この振動だ。読み上げは iPhone で画面ロック中に止まることが分かって、 アプリ版はOSの読み上げに切り替えた。運転中に画面を点けさせるくらいなら、機能ごと無いほうがましだと思っている。

位置情報も手を使わせない。勤務時間の中だけ、アプリ版は20m以上動いたときだけ送る。 勤務中でGPSがオンのあいだは画面を消灯させず、Androidでは常駐通知に次の停車地を出しておく。 そして次の停車地の100m圏内に入ったら、着いたことにする。 お届け先なら予約を接客中へ進め、乗せた・降ろしたの記録も自動で付ける。 「乗せた」を押し忘れて事務所に戻ってきても、履歴は残るようにした。

ドライバーアプリの配車行程画面(スマホ幅)。配車一郎さんの勤務09:00-04:00・送迎22停車、行程・勤務時間・位置情報などのタブ、番号付きの停車地が描かれたルート地図、先頭の停車カードの下に「▶ この送迎に向かう(担当を固定)」ボタン、2番目の停車カードに到着目安と「到着目標 10:09 間に合う」の緑字
スマホで開いたドライバーの行程。先頭の停車にだけ「向かう」ボタンが出る(画面はデモデータです)。

ボタンは一つだけ

それでも一つだけ、押してほしいボタンを置いている。先頭の停車カードの下の「この送迎に向かう」で、 押すと「乗せた」「降ろした」に順に変わる。押した送迎はそのドライバーに固定され、毎分の再計算で他の車に移らない。 昨日書いた、読み上げが毎分違う指示を出した問題の出口がこれだ。 別のドライバーが向かっている送迎は横取りできず、押しても「実行中です」と断られる。 ボタンが一つなら、押す場所を探さなくていい。

うちのデリヘル管理アプリのドライバー画面には、このほかに勤務時間・車両の定員・経費と預かり金のタブと、出勤連絡・退勤打刻のボタンもある。 どれも停車中に触るものなので、行程とは分けてある。 7月3日には、位置情報の監視を始める前に画面を離れると監視が二重に残り、到着の記録が重複して飛ぶ、というバグも直した。 見ない前提の画面は、見ていないぶん壊れても気づかれにくい。

明日は、同じ「本人アプリ」でもキャスト側のほうを書く。予定と売上と、あのボタンの話。