貸せないSIMを、店に契約してもらう
昨日の続き。返却の手順がややこしくなった原因は、端末の中のSIMだけが店の持ち物になっていることだった。 なぜそんな半端な分け方にしたのか。答えは一行で済む。 音声通話のできるSIMは、契約した本人以外に貸せないからだ。
最初は丸ごと貸すつもりだった
安全デバイスは緊急ボタンを押すと通報先へ電話を掛ける。だからデータ通信だけのSIMでは足りず、音声の付いたSIMが要る。 6月に作った最初の形では、うちがSIMを調達して端末に挿し、まとめて貸し出すことにしていた。 店にとってはそれがいちばん楽で、箱を開けたらすぐ使える。
ところが、うちの名義で契約した音声SIMをよその店のキャストに持たせるのは、第三者への貸与にあたる。これはできない。 7月1日に作り直した。貸すのは端末だけにして、SIMは店に自分の名義で契約してもらう。 年間利用料は1台24,000円から12,000円に下げた。もとの金額にはSIMの原価が11,880円入っていたので、その分を抜いた。 店が払う総額はあまり変わらない。払う先が二つに分かれただけだ。
SIMを一度こちらへ送ってもらう
困ったのは、誰がSIMを挿すかだった。 端末のカバーは特殊なネジで留まっているし、挿したあとに通信の設定を端末へ書き込む作業がある。 これを店の人にやってもらうのは無理があると思った。 そこで、契約したSIMを台紙のままこちらへ郵送してもらい、うちで挿して設定してから端末ごと送り返す流れにした。 手間は増えるが、店の作業は「契約する・番号を登録する・封筒に入れる」の三つで終わる。
デリヘル管理サイトの安全デバイスの画面に、SIMの欄を足した。 店は契約したSIMの電話番号を登録し、投函したら「郵送した」を押す。追跡番号は入れても入れなくてもいい。 札は「契約済み(郵送前)」「郵送済み」「運営受領」「キッティング完了」と進む。 取り消せるのは、うちが受け取る前までにした。受け取ったあとに画面から消されると、手元の封筒が誰のものか分からなくなる。
封筒に貼る宛名ラベルも画面から印刷できる。 ラベルの下半分には、同封するSIMの番号を書く欄が申し込んだ台数ぶん並ぶ。登録済みの番号は印字され、残りは下線だけの空欄になる。 SIMは見た目では区別がつかない。何枚もまとめて届いたとき、この紙の番号と画面の番号を突き合わせて受け取る。
物が行き来すると、台帳がずれる
作ってから二度つまずいた。 7月12日、届いたSIMを在庫の端末に紐づけようとしたら「既に別のSIMが入っています」と断られた。 その端末は在庫に登録するときにSIMの番号を手で打ち込んであり、それを見て「挿入済み」と判定していた。 番号の欄が埋まっているかではなく、SIMの台帳と実際に紐づいているかで見るように直した。
翌13日には、運営側の申込一覧が真っ白になった。 SIMの一覧を入れた変数を、すぐ下の集計の処理で同じ名前のまま上書きしていた。 画面は配列が来るつもりで待っていて、届いたのは別の形だった。 変数の名前を分け、一覧が配列で渡ることを確かめるテストを足した。
端末とSIMが郵便で行ったり来たりする以上、画面の状態と机の上の現物は、放っておくとずれていく。 札を細かく刻んだのも、ラベルに番号の欄を付けたのも、そのずれを早く見つけるためだ。 それでも、SIMを店に契約してもらうのが手間なことに変わりはない。ここはまだ、いい手を思いついていない。