英語の電話が鳴っても、事務所が止まらなくなった

「英語の電話が鳴ると、事務所が一瞬止まるんですよ」。テスト運用のヒアリングで 聞いた話だ。取るには取ったが、聞き取れないまま気まずく切られて終わる。 博多や天神のホテル街なら海外からのお客様は普通にいるのに、電話の入口で 全部落ちていた。昨日書いたAI受付には、ここを拾う口をつけてある。

デリヘル管理アプリの事務所設定(Premium)で英語・中国語・韓国語を有効にすると、AI受付の冒頭に 言語選択のアナウンスが入る。「For English, press 1, or just say English.」 番号を押しても、言語名を言ってもいい。無操作ならそのまま日本語で進む。 選ばれたあとのAIはその言語で応対して、空き照会から予約の仮受付までは 日本語のときと同じ道を通る。

AI受付の外国語対応デモ。冒頭の言語選択アナウンスと、英語の会話に日本語訳が並ぶAI対応カード、介入するボタン
英語のお客様にAIが応対中の画面(動くマニュアルのデモ。番号・会話は架空のものです)。

スクショで伝えたかったのは吹き出しの下の小さい文字で、会話の全部に日本語訳が並ぶ。 オペレーターは英語が読めなくても、いま何の話をしているかを追える。 途中から人間が代わるときは「介入する」を押すと、AI通訳が間に入った3者通話になって、 こちらは日本語のまま話せばいい。逆に、ふつうに取った電話のお客様が外国の方だった ときも、通話中バーから「AI通訳を呼ぶ」で同じ形になる。履歴にも和訳付きで残る。

韓国語のAIが、途中から黙った

この機能で一番覚えているのは、リリース前の音声テストで韓国語のAIだけが 途中から無言になったことだ。合成音声で客役を作って電話回線と同じ音質まで落とし、 本物の経路に食わせるテストを3言語で回していて、韓国語だけ4回やって4回黙る。 原因は読み上げ直前の「読める文字が入っているか」というチェックで、 文字種の一覧にハングルを入れ忘れていた。数字を含む文だけは通るので 「たまに喋る」ように見えて、余計に分かりにくかった。一覧で数える方式をやめて、 文字であれば通す判定に書き換えた。ついでに、ツール実行中のつなぎの一言が 日本語のまま英語のお客様に流れて「ホテルヲ、オシラベイタシマス」と ローマ字読みされていたのも、このテストで見つけて直した。

こういうのは会話のシナリオテストでは原理的に出ない。音を実際に鳴らして 初めて出る。外国語対応は「翻訳を足せば終わり」ではなくて、 音の入口から出口まで全部の段に言語が絡んでくる、というのが作ってみての実感だ。